口紅

口紅が好きな理由はたくさんある。

１つは大人であることを実感できるから。

小さい頃、母の口紅を塗ってみたり七五三とかの特別な機会にお化粧をしてもらったりしたとき、大人になれた気がしてうれしかった。

嬉しかったけど顔には似合わなくてへんな気分だった。

大人たちは口紅を塗って容姿が完成するのに、

小さい子が塗るとちぐはぐになる。

他のお化粧も含めてだけど、口紅は大人のものだ。

小さい頃はいつも　唇が真っ赤でいいわね　と周りの大人たちにいわれていたけど

歳を重ねて素の唇は色素が減ったように見える。

口紅を塗って完成する、ちゃんとした大人に自然となれた。

みんななる。

それから色気。

色気のある人って大好き。

色気の要素っていくつかあると考えてるんだけど

その一つに赤っていうのがあると思う。

口紅は女を色っぽくするマジックアイテムだ。

よっぽど奇をてらった商品以外、全部赤の要素が入ってる。

唇に塗るものだから当たり前と言ったら当たり前なのだけど。

お化粧で一番最後に塗る口紅はいつも自信とうれしさをくれる。

「ワタシはオトナだ」

１つは見た目がかわいいから。

特に好きなのはやっぱり王道のCHANELだと思う。

黒とゴールドの品のある大人のデザイン。

サンローランのリップのデザインもかなり好き。

全ての流行はカワイイから来るという言葉を何かで見たけど

日本社会でそれは真実だと思う。

カバンに入ってるだけで　ふふふって思う。

ちょっとずれるけど、日本人の言うカワイイがカバーしてる範囲ってすっごく広いよね。

日本人独特の感性なのかなあ。

かわいいものってすごく好き。

一つは大きさ。

いろいろあるお化粧品の中で一番サイズがコンパクト。

それなのに最大の力発揮する。

普段遊ぶときすごく小さいカバンを持ちがちなんだけど

そんなカバンにもちゃんと入るし、持ってるだけで安心する。

一つは色移り。

グラスでなにか飲んだりして口紅が落ちてグラスに移っちゃうのを大体の人は嫌うと思うけど、それを見るのがすごく好きだ。

私は煙草を吸うのだけど煙草を吸ってそこに移った口紅の色を見るのも大好き。

だから大体たばこを吸うときはお化粧してるとき、もしすっぴんでも口紅は塗っちゃう。それが見たいがために。

煙草を吸う大体の理由はスッキリするからとかじゃなくて

口紅を塗った唇で煙草をくわえたいとか吐いた煙を見るのが好きとか

好きな人の事思い出せるからとか結構子供じみた理由だ。

モノに移る以外でも口紅って結構落ちちゃう。

特に食べてるとき。

自分は生涯で何本分の口紅を食べちゃってるのかなあってたまに考えてる。

後口紅が好きな理由はなにかなあ。

あとはリップスティック自体の色の濃さかな。

色を見るのが好きだから。

来世、男に生まれても口紅位のお化粧はするだろうねえ。

そんな話。